AlxisDataBlog-数学・物理学

前回、畳込みのラプラシアンにより $g,\psi$ の関係式を得ました。デコンボリューションの不良設定性を回避するために動径方向への自由度を与えたいのですが、区間的に与えてしまうのは条件が強過ぎるため、今回は与えられた $r$ における畳込みの動径微分を許可することにしましょう。

\begin{align} g(r,y)=\int_0^1Xk(X)\psi(rX,y)\,dX \end{align}

これを $r$ で微分しましょう。

\begin{align} r\partial_r g&=\int_0^1X^2k(X)\partial_X\psi(rX,y)\,dX\\ &=[X^2k(X)\psi(rX,y)]_0^1-\int_0^1\{2Xk(X)+X^2\partial k(X)\}\psi(rX,y)\,dX\\ &=k(1)\psi(r,y)-2g-\int_0^1X^2\partial k(X)\psi(rX,y)\,dX \end{align}

前回定義した記号を使うと

\begin{align} (2+r\partial_r)\langle 1\rangle_k=k(1)\psi(r,y)-\langle X\partial\rangle_k \end{align}

となります。これも一般化しておくと、微分作用素 $D$ に対して

\begin{align} (2+r\partial_r)\langle D\rangle_k=Dk(1)\psi(r,y)-\langle X\partial D\rangle_k \end{align}

という式が得られます。今回はここまで。次回は剰余項の扱い方の話をします。(written by J.Nishigata)