AlxisDataBlog-画像処理

情報量は、ぼやけとノイズにより低下します。「ぼやけ」と「ノイズ」は、リファレンス画像に対して比較したときに定義することができます。

ぼやけているということは、リファレンス画像に対してブラーが掛かっていると考えることができます。点光源モデルで考えると、ブラー半径以内の 2 点は分離できないので、ブラー径の領域の事象は点光源の有無のみです。したがってぼやけによる情報量の低下は、1/(ブラー面積)倍であると言えます。

一方ノイズによる影響は、事象の起きる確率がのノイズの標準偏差倍されるため、標準偏差の対数スケール分だけ減少すると解ります。

まとめると以下のような式になります。

\begin{align} \dfrac{\text{DataSize}}{\text{Radius}^2}-\log(\text{StdDev}) \end{align}

ブラー径とノイズの標準偏差はどの様に計算すれば良いのでしょうか。ぼやけによりローカルな領域の画素値の peak-to-peak は縮小します。リファレンス画像に対して何倍縮小したのかを測定することで、ブラー径を知ることができます。また、リファレンス画像との差分画像により、ノイズ成分のみの画像化が可能ですので、この標準偏差を計算することでノイズの標準偏差を知ることができます。

以上のロジックは、リファレンス画像が存在することを前提としています。では、リファレンス画像が用意できない場合はどのように考えれば良いのでしょうか。

ブラー径の推定にはブラインド-デコンボリューションと呼ばれる方法を使いますが、非常にテクニカルです。簡易的には、ぼやけによる情報量の低下を無視してしまうことが多いです。一方ノイズの標準偏差は、ローカットフィルタリングによりノイズ成分を取り出せると考えれば簡単に推定することができます。(written by J.Nishigata)

「ぼやけ」と「ノイズ」を考慮した情報量の定量化